スタッフ&
パートナー対談

秘書として働くスタッフと、パートナー弁護士の対談記事です。秘書と弁護士がどのように協働するのかよく分かります。

プロフィール

  • 中川 裕茂 2004年当事務所入所
    1996年3月、京都大学法学部(法学士)
    2004年6月、当事務所入所
  • 秘書A 2009年新卒入所
    2009年、国際政治経済学部卒業。AMTに新卒入所し、秘書(リーガルアシスタント)に。パートナー弁護士1名(対談相手の中川裕茂弁護士)のほか、アソシエイト弁護士2名を担当。

弁護士と秘書のペアは
バレーボールのアタッカーとセッターみたいなもの

秘書A

先生とペアを組んで7年目になりますが、今日はいい機会なので、いろいろと本音をお聞かせください。先生にとって秘書とは、どんな存在なのでしょうか。

弁護士

僕らの仕事は秘書さんがいないと成り立たないところがあり、欠くことのできない仕事上のパートナーと思っています。クライアントへのサービスという最大の目的に向かって同じ方向を向き、役割を分担するという存在ですね。逆にお聞きしますが、Aさんから見て、弁護士はどのような存在なのでしょうか。

秘書A

弁護士と秘書の関係は、スポーツに例えると選手とマネージャーの関係かと思います。選手が最高のコンディションで試合に臨めるようサポートをするという関係と言えばよいでしょうか。

弁護士

私は、弁護士と秘書さんとはクライアントに向かって対等の存在で、バレーボールでいうとアタッカーとセッターのような関係だと思っています。当事務所の場合は、弁護士が秘書さんと協力してクライアントのサポートを一緒にしているイメージですね。

秘書A

私の場合、案件と担当弁護士のスケジュール管理、訴訟の資料や証拠の作成、裁判所と相手方当事者への書類の発送、請求書の作成などの内勤が多いですね。

弁護士

その仕事がとても大事なんです。法律事務所としての基本動作ですね。いつも正確にトスを上げてもらって、アタックも順調にできており、とても感謝しています。

秘書A

そんな風に言っていただけてうれしいです。前の担当秘書さんが産休に入った関係で、入所2年目にして先生に付くようにと言われたときは、とんでもないと思ったんですよ。担当する前は、先生はすごく仕事が早いと聞いており、その分秘書に対する要求も多いと思っていました。入所1年目から多くの先生と接する機会があったのですが、その中でも一番緊張する方だったんですよ。

弁護士

そうですか?そんなに大変そうに見えたかな……。

秘書A

正式に秘書となってから2、3年はアップアップでしたが、だんだんこちらからも、例えば案件のスケジュールや期日の管理等の点でも先を見越してリマインドできるようになり、現在は先生にとっても自分にとっても良いペースで仕事ができていると思います。

弁護士

私もそう思っています。いつもAさんにはフォローしていただいているので、安心して仕事ができています。

失敗することがあっても
フォローをしあえる関係が理想的

秘書A

先生はこちらの話に耳を傾けてよく聞いてくださる方だということがわかったので、最近は相談しながら一緒に仕事をカタチにしていく感じです。

弁護士

Aさんはとても気が利く方で、私のことも周りの秘書さんのことも事務所全体のこともクライアントのことも考えてくれるところがすばらしいと思っています。弁護士の仕事はジャグリングのようなもので、複数のボールを取っては投げ、取っては投げの繰り返しです。その中でクライアントや内部への返事を忘れてしまったりすることもありますが、Aさんが必ずリマインドしてくれるから、とても助かっています。

秘書A

未返信のメールを見つける度に、「これ、まだですよ」と愛想ない感じでリマインドしているので、嫌がられているのかな、と思っていたのですが……。

弁護士

いえいえ、すごくありがたいです。あまり頼らないようにしないといけないとは普段から思うのですが、反省しきりです。

秘書A

私もミスすることはあるので、そのときに素直にお話しできる関係性が大変ありがたいです。

弁護士

人間誰しもミスはありますので、事実をありのままに共有して、お互いミスを防いだり、ベストな対応ができる関係性が理想ですね。

信頼関係を保つ秘訣は、メールに頼らず、
なんでもよく話しあうこと

秘書A

弁護士と秘書の信頼関係を築くために、先生が心がけていることはありますか?

弁護士

弁護士も試行錯誤しているところがあるのですが、私の場合は、とにかく「よくしゃべる」ということを意識しています。メールで済む用事もありますが、メールだと一方的な依頼となって相手の反応が分からないことも多いので、話をすることによって、会話の中で自分の考えを修正することもできますね。

秘書A

実は私も同じことを考えていて、挨拶などの基本的なコミュニケーションはもちろんのこと、自分の考えを伝えて、先生の考え方を口頭でもよく聞くということを心がけています。割とメールで会話してしまいがちな世の中ですが、先生とはよくお話をして風通しのいい関係になっています。

弁護士

仕事と関係ない雑談もちょこちょこしますしね。特に配慮しているわけじゃなく、一緒にいる時間が長いので自然とそうなります。

サービス業は相手に喜んでもらえることが至上命題

弁護士

Aさんは私以外にも何人もの弁護士を担当していますが、いつもこういうテキパキと明るいキャラクターを貫いていらっしゃるのでしょうか。

秘書A

弁護士も一人ひとり性格が違うので、相手に合わせて微妙に接し方を変えています。

弁護士

さすがですね。弁護士も秘書も、相手が何を望んでいるのか?ということを第一に考え柔軟に対応することが大事という点では同じですよね。

秘書A

はい。相手の立場に立って、「今、自分はどうしたらよいか?」ということをいつも考えて行動することを心がけていますが、なかなか難しいです。

弁護士

弁護士と秘書さんの関係性も、年齢、経験、仕事の内容や相性によっていろいろありますね。弁護士は、クライアント・ファーストの精神で仕事をしていますので、その目的のために同じ目線で仕事ができる関係であればよいと思います。

秘書A

秘書職に関して言えば、サポートすることに喜びを感じられる人には適職かと思います。AMTは弁護士が増えているので秘書も増えています。これからの課題というとどんなことがありますか。

弁護士

弁護士の仕事はますます専門的になり、対応するスピードも私が弁護士になった20年前とはまったく異なります。その意味で秘書さんにお願いすることもどんどん複雑で高度なものになっていく傾向にあります。お手数をおかけしますが、これからもよろしくお願いします。

秘書A

はい! こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

※この記事は2017年3月時点の内容を基にしています。

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