パラリーガル(翻訳)

法律英語の専門家として力を伸ばし続けられる環境

2022年度(新卒)

文学部英米文学科卒業。通訳・翻訳プログラムの授業を通して、通訳・翻訳の面白さに気付き、「翻訳者」の仕事に憧れを抱くようになる。

大学卒業後、2022年に新卒でAMTに入所。翻訳パラリーガルとして、法律関係書類の翻訳(和訳・英訳)を担当。

学生時代は、どんなことに力を入れていましたか?

学生時代から英語漬けの日々でした。幼少期にイギリスからの留学生が自宅に来ていたことや、両親が洋楽好きだったことなどに影響を受け、大学入学前から英語が好きで、いつか英語を使った仕事をしたいと考えていました。そのため、大学では通訳・翻訳のゼミに所属して、CNNなど英語のニュースを日本語に訳出していました。2020年・2021年には「デモクラシー・ナウ!学生字幕翻訳コンテスト」で2年連続最優秀賞を受賞することができました。授業はもちろん、サークルやアルバイトでも英語を使う機会が多かったです。サークルはESS(英語部)のスピーチセクションで活動していました。

またアルバイトとして、NHKで通訳・翻訳の授業のアシスタント、お客様対応、英語ニュースの書き起こしなどを行っていました。プロの通訳者・翻訳者の方のお話を伺う機会が多くあり、「学び続けること」と「正確な訳を行うために訳出対象の内容についてしっかりとリサーチすること」の大切さを学びました。

AMT入所の決め手を教えてください。

もともとは法律事務所への就職は考えていなかったのですが、法律事務所でアルバイトをしていた友人からの紹介をきっかけにAMTの翻訳パラリーガルについて知りました。法律事務所でも翻訳の専門家として働ける職種があるのかと驚きました。法律関係の専門的な内容の文書の翻訳をやってみたいと思い、AMTに応募することにしました。

選考を受けるまでは、「法律事務所=お堅い」というイメージがありました。しかし、面接では笑いが起こる場面もあり、想像よりもフランクな雰囲気に驚きましたね。また、面接中に私が質問をした際に、予定時間を過ぎても1つひとつ丁寧に回答していただいたことも印象的でした。

素敵な弁護士や先輩方と一緒にお仕事をし、成長したいと思ったこと、そして夢だった翻訳の仕事をできることが決め手となり、AMTに入所しました。

入所後はどんな業務を経験されてきましたか?

入所後は、2週間ほど新入所員全員でビジネスマナーやPCスキルなどの基本を学びました。その後、翻訳パラリーガルの先輩2人のご指導のもと、OJTを通して経験を積んでいきます。入所してから1年間は先輩方と相談しながら案件を引き受け、翻訳したファイルを先輩方にレビューしていただき、法律英語特有の表現などを学びました。

私が担当する仕事は大きく2種類あり、1つは毎年同じ時期に開示書類を提出するための作業を行う継続開示、もう1つは単発の翻訳です。和訳と英訳の比率は半々くらいです。継続開示では書類の開示が義務付けられている海外企業やファンドの有価証券報告書などを作成し、「EDINET(エディネット)」(※)を通じて書類を提出します。この仕事には3か月ほどの時間がかかります。

単発の翻訳は、弁護士から直接依頼が来ます。翻訳対象の文書は、訴訟関係の書類、IT関連の文書、契約書、ニュース記事など多岐にわたります。数日から2〜3週間かけて翻訳するものまでボリュームはさまざまで、その時々の繁閑状況に応じて、引き受ける分量を調整できます。

「翻訳=個人作業」というイメージがありますが、実際にはそんなことはありません。単発の翻訳でも、先輩方と定義語の訳語を相談したり、訳文が完成した際には弁護士にレビューをしていただきます。メール、社内チャットツール、電話で密に連絡を取りながらチームで働いています。

※金融庁の電子情報開示システム

翻訳パラリーガルのやりがいと大変なところを教えてください。

継続開示案件は約3か月にわたる長期間の案件なので、EDINETで無事に提出できた時にはほっとしますし、とても達成感があります。提出後の打ち上げも楽しみの1つです。

それ以外にも、AMTでは多数の国際案件を取り扱っているため、翻訳対象の文書を通して、国際情勢や最新のトピックに触れられるのが翻訳パラリーガルの仕事の面白さの1つだと思います。自分が翻訳を担当したクライアントのニュースを目にする機会もあり、やりがいを感じます。

一方で、1年目の頃はスケジュール管理に悩むことが多くありました。どの業務にどれくらいの時間がかかるかの予想が難しく、さらに繁忙期には複数の案件が同時進行するためです。早いうちから案件のマニュアルを作成することによりスケジュールを把握し、繁忙期こそトラブルに備えて余裕を持っておくと、仕事が円滑に進めやすいと思います。

仕事のなかで大切にしていることを教えてください。

大きくは3つあります。1つ目は、他の仕事でも同じだと思いますが、「報告・連絡・相談」です。チームで仕事をすることが多いので、スケジュールや進捗状況の共有をこまめにするよう気を付けています。また、疑問点や対応に悩む点が発生したときは、自分1人で判断せず先輩スタッフに相談することで、チームとしてクオリティーの高い仕事ができるようにしています。

2つ目に、指示いただいた業務1つひとつの意味を考えることです。なぜこの仕事を頼まれたのか、この仕事の前後にどんな作業があるのか、と仕事全体のつながりを考えるようにしています。全体像や先の動きが分かると、細かい点にも気が付き、求められていること+αまでできるようになると思います。

3つ目に、翻訳のクオリティーです。専門的な内容の文書を扱うので、内容を理解するためにまずはしっかりとリサーチを行います。もちろん正確性は欠かせません。法律関係の重要な文書において、誤訳があると企業間の紛争につながってしまうだけでなく、AMT全体の信用にも関わる問題になってしまいます。見直しの際にはできるだけトリプルチェックまで行い、曖昧な点を残さないように細心の注意を払います。そのうえで、翻訳対象の文書に合わせた柔軟な対応も大事にしています。例えば、「少し意訳的であっても自然な訳」をお願いされることもあれば、「直訳で原文に忠実な訳」をお願いされることもあるので、その都度最適な翻訳を目指しています。

どんな人が翻訳パラリーガルに向いていると思いますか?

毎日英語に触れる仕事なので、英語が好きな人や英語力を生かした仕事をしたい人にはぴったりです。

加えて、新しいことを学ぶのが好きな方にも向いていると思います。法律英語には日常会話ではあまり使わない独特な表現も多く、初めて目にする専門用語がたくさん出てきます。また、化学薬品に関する文書など、内容の理解に時間がかかるものも多くあります。そのため、常に知識をアップデートし続けなければなりません。

さらに、2年目以降のパラリーガルはAI翻訳を活用して仕事をすることも増えます。AIが生成した英語をチェックして修正しながら業務を進めるので、AIに負けない英語力が必要になります。うまく新しいツールを活用して、作業の効率化にチャレンジするという意味でも、知的好奇心が大切だと思います。

入所を検討している方に向けてメッセージをください。

私が入所したばかりの頃、「法律事務所の財産は人」というお話を伺いましたが、本当にその言葉どおりで、AMTには素敵な先輩方がたくさんいらっしゃいます。英語が好きな方、チームで動くことが好きな方、専門性を身につけてスペシャリストを目指したい方はぜひAMTに入所することを検討してみてください。皆さんとAMTで一緒にお仕事ができる日を心待ちにしています。

1日のスケジュール

法律事務所の仕事には繁忙期があります。ここでは、通常期の1日の流れと繁忙期の1日の流れを紹介します。

通常期の1日
  1. 9:00
    始業

    メールにて必要な連絡や返信を行った後、新しい依頼が来ていないか確認する。

  2. 9:15
    翻訳

    契約書の和訳の依頼が来ていたので、翻訳を行う。

  3. 12:00
    お昼休み

    同僚とランチに出かけてリフレッシュ。

  4. 13:00
    午後の業務開始

    お昼休みの間に新しいメールが届いていないか確認を行ってから、午後の業務に取りかかる。

  5. 13:10
    トランスランチ委員の業務

    翻訳パラリーガル内の希望者で開催するランチ会の企画運営業務を行う。ランチ会のなかで寄せられたアンケートをまとめる。

  6. 13:30
    翻訳

    プレスリリースの英訳を行う。

  7. 17:30
    終業

    次の日の業務の見通しを立てて、帰宅。

繁忙期の1日
  1. 8:30
    始業

    メールにて案件の進捗や急ぎで対応が必要なものがないか確認を行う。また、前日にやり残した書類整理などを行う。

  2. 9:00
    スケジュール確認・登録

    担当している継続開示のスケジュールが確定したため、所内のスケジュール管理システムに登録する。

  3. 9:15
    翻訳

    継続開示案件の有価証券報告書の和訳を行う。

  4. 12:00
    お昼休み

  5. 13:00
    メール確認

    お昼休みの間に急ぎの対応が必要なものが来ていないか確認する。

  6. 13:15
    印刷会社から受領したデータの確認

    印刷会社から受領した午前中に翻訳を行ったものとは別の継続開示のEDINET提出用のHTMLデータの確認を行い、適宜修正コメントを付ける。

  7. 16:30
    翻訳

    午前中に行った継続開示案件の和訳の続きを行う。

  8. 18:30
    終業

    キリのよいところまで業務を進めるため、少し残業をしてから終業。

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