パラリーガル(不動産)

不動産にまつわる人や物語の面白さに触れる

2018年度(新卒)

法学部法律学科を卒業。大学在学中は1年間の交換留学を経験。2018年にパラリーガルとしてAMT入所。

不動産パラリーガルを志したきっかけを教えてください。

AMTを志望する際、不動産パラリーガルを選択する決め手となったのは、「普段何気なく使っている建物にどんな人たちが関わっているのか、建物の裏側にあるストーリーを見られることが面白い」という面接での弁護士の一言でした。その言葉に何か感じるものがあり、不動産パラリーガルの道へと進むことを決心しました。

普段の業務内容を教えてください。

不動産パラリーガルには複数の分野の業務があります。主に私が担当するのは不動産デュー・ディリジェンス(DD)と呼ばれる、不動産のリスク調査や法務調査、レポートのドラフト作成で、その対象物件はオフィス、ホテル、レジデンス、物流倉庫、ショッピングセンター、そして最近では太陽光発電について調査することもあり、まさに幅広い不動産を扱います。また、それに加えて、有価証券開示に関する有価証券届出書や有価証券報告書といった書面の作成を行い、金融庁が運営する「EDINET(エディネット)」経由で提出することも行います。

入所後しばらくは、目の前の業務を完遂することでいっぱいいっぱいでした。3年目くらいからは、不動産がどのように成り立っているのか、案件、物件ごとにさまざまな契約や権利関係があり、それぞれどのように交渉されるのかを知り、かつて面接で弁護士が話していた「面白さ」を感じる余裕がようやく出てきたところです。

今では、新人パラリーガルのデュー・ディリジェンス研修やチューターを担当することもあります。自身の業務だけではなく、後輩の育成やプロジェクトメンバーのチームワーク向上に貢献できるような存在になりたいと考えています。

入所前に法律や不動産に関する知識がなくても大丈夫なのでしょうか?

不動産パラリーガルには、前職を経てさまざまな専門知識を身につけている人が多く、また、法律学科出身者が多く在籍しています。そのため入所当初は、不安を感じていましたが、実際のところ、私をはじめとする新卒入所スタッフの多くは不動産に関する知識をほとんどもっていません。

ありがたいことに、一人前になるまでには充実した新人研修がありますし、どんなに初歩的な質問にも、弁護士や先輩が丁寧に答えてくれますし、フォローをしてくれます。本当に優しい人ばかりですから、分からないことはしっかりと質問し、1つひとつ自分のなかに落とし込めば、確実な成長につながります。

具体的にどんな研修や教育体制があるのでしょうか?

今でもよく覚えている研修の1つに、新卒2名に対して1人の先輩がつき、先輩がクライアント役を、私たちがパラリーガル役を務める模擬的なデュー・ディリジェンスがありました。ここで取り上げたのは過去の実例で、実践を通して自分の未熟な点が浮き彫りとなり、とてもよい学びの機会になりました。1人で案件を受けもつようになってからも、しばらくの間は、弁護士へドラフトを提出する前にレビューしてもらったり、大型案件などで不安が残るときにもつきっきりで指導を受けるなど、先輩にはさまざまな場面で根気強く支えてもらいました。

また、業界の最前線で活躍している弁護士からレビューをもらえる環境にあることも、質の高い学びにつながっています。多忙にも関わらず、修正箇所に対してどういった修正をするべきかだけではなく、なぜその修正が必要か、ということも含めて丁寧な説明を添えてくれます。私にとって、それらは大切な教科書のようなものですし、レビューを次の案件に生かして、自分のなかで「生きた知識」として蓄積をしています。

そうして先輩や弁護士に育てられ、入所当初は、ドラフトをレビューに回せば赤字修正ばかりで戻ってきた私ですが、経験を重ねるにつれて雛形を使わず一から自分の言葉で書き上げた文章に全く修正が入らないページが増えていきました。初めて修正なしのページがあった時には、自分のなかで大きな成長を感じたものです。あらためて、弁護士や先輩の手厚い支えがあってこそ今の自分があると感謝の気持ちがあふれます。

不動産パラリーガルのやりがいと難しさを教えてください。

複数のパラリーガルで1つの案件に携わる際には、作業フローの調整や分担のとりまとめをすることがあります。各パラリーガルの経験や状況などを考慮して、適材適所の役割分担を行っています。それぞれの強みが生き、互いに協力しあうことで案件がスムーズに進むと、やりがいを感じます。

土地の数が多かったり、締結している契約書の種類が多かったり等、複雑な権利関係の物件のデュー・ディリジェンスをする際には、大量の資料から権利関係・変遷を把握する必要があり、その大変さはありますが、パラリーガルの方で最初にその作業を行い弁護士に共有することで、弁護士の仕事が少しでも楽になればという思いで取り組んでおります。

仕事をするにあたって大切にしていることを教えてください。

先輩の背中を追いかけながら感じるのは、パラリーガルとは適切なサポートを行い、クライアントと弁護士の間をつなげる職務であること。対象不動産1つとっても大量の書類がありますから、すぐに見るべき資料とそうでないものを選別することも私たちの大切な役目ですし、見落としそうな細かいところまで拾いあげ、適切に共有することも大事です。また、クライアントや弁護士から質問がくればすぐに、かつ的確に答えられることも重要です。私自身、そうした対応を完璧にはまだできていませんが、いずれしっかり対処できるよう、分からないことはその場ですぐ解決し、自分の中で咀嚼し、どのように説明すべきか?を常日頃から考えています。

また、パラリーガルの心構えとして、先輩から教わったことの1つに、書類に最後まで責任をもつことがあります。弁護士へのレビュー確認が済んだからといって業務をそこで終えるのではなく、まだ自分にできることがないかを考え抜くということで、例えば、弁護士からの修正箇所を他のドラフトや項目でも反映できるものがないか徹底的に見直すなど、書類1つとっても全責任が自分にあると思って取り組むと、応用できる箇所がいくつも見つかることがあります。

AMTの魅力はどこだと思いますか?

就職活動時、いくつかの法律事務所を比較検討しましたが、それぞれの雰囲気はまさに三者三様でした。AMTは、真面目さとオープンさのバランスの良さを好印象に感じ、入所を決めました。入所してからも当時と印象は変わらず、多彩なサークル活動を通じて、弁護士やスタッフ問わず仲が良いですし、みなさん仕事に誇りをもって丁寧に働く人が多いです。

加えて、働きやすさもAMTの魅力だと思います。不動産パラリーガルは、リモートワークも可能で、担当業務の都合に応じて自宅作業ができます。また、フリーアドレス制度が導入されており、出勤したときには、パーテーションで区切られた複数の席の中から自分の好きな席で作業をしています。さらに、フレックスタイム制度もあり、早く出勤したり遅く出勤したりと、各人の働きやすい時間帯に出勤することも可能です。ワーキングマザーのスタッフなどは時短勤務も活用していて、各々が心のゆとりをもって働きやすい環境作りがしやすいように思います。私自身、産休に入る先輩から業務の引き継ぎを受けましたが、私だけではなくチームの皆がマイナスな感情を感じることなく、素直に「がんばってね」とあたたかい雰囲気で送り出しました。

入所を検討している方に向けてメッセージをください。

不動産パラリーガルの仕事は、いろいろなことに興味があり自ら調べ学習する人、丁寧な作業が苦にならない人に向いていると思います。また、与えられた仕事だけではなく、常に自分にできることはないか、自分がすることで周囲の人の役に立つことはないかと考え行動できる人にも合った仕事です。

ここでの仕事を経験すれば、専門知識とチームで仕事をする力の両方を身につけられます。胸を張って自分の専門分野はこれだ!と言えるものが欲しい方が力をつけられる機会がたくさんあると思うので、ぜひ入所を検討してみてください。

1日のスケジュール

法律事務所の仕事には繁忙期があります。ここでは、通常期の1日の流れと繁忙期の1日の流れを紹介します。

通常期の1日
  1. 9:15
    始業

    フレックスタイム制を利用し、すこし遅めに勤務を開始。

  2. 9:30
    メールチェック

    昨晩から今朝にかけてのメールをチェック。案件の進捗を把握しつつ、自分宛に来ていた指示への対応。

  3. 9:45
    担当している物件DDの受領資料の確認

    新しい資料が送られてきていたので、DDレポートのアップデート箇所がないか確認。

  4. 10:30
    照会書のドラフト

    資料を見ていて新たに照会すべき事項があったため、クライアントに送付する照会書をアップデート。

  5. 12:00
    お昼休み

    同期とランチ。不動産パラリーガル以外にも、秘書や他のパラリーガルとも親しく、一緒に外出することが多い。

  6. 13:00
    公図統合作業

    物件DDの対象土地が多いため、図面を貼り合わせて土地の全体感を把握。

  7. 13:30
    新人パラリ-ガルの教育指導

    新人からの質問に対応しつつ、参考になりそうな先例を共有。弁護士への報告方法等も併せて指導。

  8. 14:30
    パラリーガル間MTG

    月に1回開催されるMTGで情報共有。

  9. 15:30
    DDレポートのドラフト

    午前中に対応した物件DDのレポート作成業務に取りかかる。

  10. 17:30
    終業

繁忙期の1日
  1. 8:00
    始業

    繁忙期のため早めに勤務を開始。

  2. 8:15
    メールチェック・スケジュール登録

    担当案件のスケジュールが決定したメールが来ていたため、スケジュール管理システムにて登録。

  3. 9:45
    物件DDの受領資料の確認

    新たに物件DDを受任したため、初期受領資料を確認し、物件の全体感を把握。

  4. 10:30
    照会書のドラフト

    初回に送付依頼・照会したい事項をまとめる。

  5. 12:00
    お昼休み

    在宅勤務のため自宅で昼食。

  6. 13:00
    届出書面のドラフト・レビュー

    投資法人が提出する書面について、条文に規定されている事項が網羅されているか確認しつつドラフト。

  7. 14:30
    新人チューターMTG

    人事担当と新人チューターを担当しているパラリーガル間での定例MTG。各新人の状況を共有しながら適宜相談等も行う。

  8. 15:00
    複数物件取得案件のパラリーガル作業取りまとめ

    弁護士から受けた作業依頼をパラリーガル間で共有し、今後の作業フローを確認。

  9. 16:30
    DDレポートのドラフト

    午前に受任した物件DDのレポートの作成に取りかかる。

  10. 18:30
    終業

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