パラリーガル(事業再生アシスタント)

人や企業の重大な局面をケアし、サポートする

2015年度(中途)

2001年、経済学部経済学科卒業。2009年、ビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所に中途入所。2015年、事務所の統合により当事務所入所。事業再生アシスタントとして、事業再生・倒産グループの弁護士を担当。

普段の業務内容を教えてください。

事業再生・倒産グループは、主に企業の再生手続や倒産手続などを扱う部門です。具体的には、赤字が続くなどして経営危機に陥った企業の再建に関する助言や、その企業の取引先や従業員、その企業に対して融資を行っている金融機関や投資家などの関係者の利害の調整や交渉などを行う弁護士をサポートしています。

私たちは、弁護士秘書としてスケジュール管理などの秘書業務を担当する一方で、裁判手続を伴う案件も多いという事業再生・倒産グループの特性から、法律事務も広く扱っています。仕事量は基本的に5対5ですが、時期によっては法律事務のウェイトが多く占めることもあります。

法律事務の内容は、多岐にわたりますが、例えば、案件の電話対応、銀行関連の手続、裁判所への提出書面のドラフト作成、会社の経営者、従業員の方との面談の同席などがあります。経験を積んで弁護士から信頼してもらえるようになると、弁護士とともに動き、時に、現地調査などにも同行することもあるため、業務の範囲はいわゆるデスクワークでの法律事務にとどまりません。

事業再生・倒産に関わるとなると、緊張する場面も多いのではないでしょうか?

案件が始まると、手続に関するさまざまな書類の提出・受領に加え、従業員の方や関係者の方々からの電話対応に追われることがあります。会社が倒産したとなれば、取引先や従業員の方が、今後の取引やお給料がどうなるのか不安になり、慌てて電話をかけてこられるのも無理はありません。どのようなお問合せに対しても、落ち着いて受け答えをし、相手に合わせて適切に説明することを心掛けています。

また、弁護士が回答すべき点については、自分の判断で回答せずに、お問合せの内容を丁寧に聞き取ったうえで、必ず弁護士にその内容を報告し、判断を求めるようにしています。このような線引きを的確に行うことも私たちの大事な仕事だと考えています。

事業再生・倒産に関わる案件では、電話対応は重要な業務です。初めのうちは、電話に苦手意識をもたれる方もいらっしゃいますが、徐々に慣れていただくことが、事業再生・倒産グループの秘書業務の第一歩かもしれませんね。

事業再生アシスタントのやりがいを教えてください。

弁護士が法律面を広くカバーする役回りだとすれば、私は、秘書としてソフト面でフォローすることを意識しています。企業の再生手続や倒産手続を進めるなかでは、経営者や従業員の方とのやり取りも多いのですが、弁護士と話したそうにされている方に気付いた時に、「もしよければ、弁護士とお話しされますか?」とご案内し、後日、「おかげさまで解決できました」と言っていただけることもあります。そのような時は、心から「ああよかった」と思います。よいアシストができるとすごくうれしいですよね。

そうして周囲を観察しながら、この方は何をしたいのだろう、何を言いたいのだろう、と考えて動いていくことで、さまざまな立場の方々と弁護士のよい橋渡しができることをやりがいに感じます。それが、この仕事が続けられる理由の1つかもしれません。

複数の法律事務所を経験されていますが、AMTと他所との違いはどこにありますか?

私は大学を卒業後、複数の法律事務所を経てAMTに入所しました。それぞれの事務所の雰囲気の違いなど、驚くことはいくつもありましたが、AMTについて特に驚いたのは、自分が担当する弁護士が関わった仕事が新聞の一面に掲載されることです。社会的にインパクトのある、影響力の大きい案件に、自分も弁護士をサポートする立場で関わっていることをあらためて実感すると、気が引き締まります。

また、企業の再建・倒産の仕事に関わることでいろいろな業界のことを学べる興味深さもあります。これまで担当してきた案件のなかには、CD制作・販売業、アパレル・化粧品販売業など、生活に身近な業種もあり、一般的には知られていない業界の事情や生産から販売までの仕組みなどを知ることができました。自分が知らない世界に触れ、いろんな経験をさせていただけることもまた仕事の面白みです。

AMTの魅力はどんなところだと感じますか?

知らない世界、さまざまな立場の人との関わりが多く、その時々の状況に応じて柔軟な対応が求められる事業再生・倒産グループの秘書業務ですが、1人で抱え込まずに誰かに相談しやすい環境が整っているように思います。これはAMT全体の空気感と言えるかもしれません。特に私たちはマニュアルどおりにいかない対応も少なくないので「こんなことがありましたが、どう思われますか?」など、先輩、後輩問わず、日々の情報や意見交換も活発です。共有し、共感することで、楽になることもあります。

こうしたグループ内のよい空気感を継続させたいと近頃ますます強く思うようになりましたし、私自身、中堅とみなされる立場になりましたから、後輩が一人前に育つためのサポートを目標に、日々の業務に取り組んでいけたらと思います。

事業再生アシスタントの仕事はどんな人に向いていると思いますか?

コミュニケーションをとるのが好きな方に向いていると思います。電話対応をはじめ、事業再生・倒産グループの秘書は、いろんな役職や年代の方々とお話しする機会が非常に多くあります。税務署などの役所の方々ともやり取りをしますし、一般の企業の方々からお問合せをいただくこともあります。ですから、相手を問わず、誰とでも円滑なコミュニケーションをとることが求められます。言い換えれば、苦手な人を作らないことが大切とも言えます。

入所を検討している方に向けてメッセージをください。

事業再生・倒産分野の幅広い専門的な知識が身につけられることもこの仕事の魅力の1つです。専門性の高い仕事ではありますが、最初から法律事務に精通している必要はありません。法律事務は入所後のOJTや勉強会を通して学ぶことができますし、弁護士や先輩スタッフも丁寧に教えますのでご心配いりません。新しいことにチャレンジしたい、知識を吸収したいという方に、ぜひ入所をご検討いただければと思います。

1日のスケジュール

法律事務所の仕事には繁忙期があります。ここでは、通常期の1日の流れと繁忙期の1日の流れを紹介します。

通常期の1日
  1. 9:00
    始業

    メールやSlack(ビジネスコミュニケーションツール)をチェックし、弁護士からの指示や案件の進捗を確認。急ぎの指示などから優先順位をつけて返信。

  2. 9:30
    資料の印刷・翻訳

    指示された資料を印刷、翻訳して弁護士のデスクへ。

  3. 10:00
    弁護士と打ち合わせ

    当日のスケジュールを確認。打ち合わせ後、新規の打ち合わせ準備のため会議室の手配、参加するプロジェクトメンバーへ連絡。

  4. 10:45
    郵便物確認

    破産会社の郵便物を仕分ける。

  5. 11:00
    事件記録の確認、書類作成

    新しく裁判所から受任した事件記録の内容を確認。全記録に目を通し、重要なポイントを抜き出す。

  6. 12:00
    お昼休み

    自席でランチ。友人とともにランチに出ることも。

  7. 13:00
    外出

    破産会社の銀行手続のため外出。口座解約などを行う。

  8. 14:00
    請求書の作成

    弁護士と打ち合わせのうえ、クライアントごとに請求書を作成、発送。

  9. 16:30
    書類作成、発送

    お礼状を作成し、弁護士に確認のうえ発送。

  10. 17:30
    終業

    明日の仕事の見通しを立て、帰宅。

繁忙期の1日
  1. 9:00
    始業

    メールやSlackをチェックし、弁護士からの指示や案件の進捗を確認。急ぎの指示などから優先順位をつけて返信。

  2. 9:30
    電話対応、書類作成

    問合せ電話に対応。裁判所へ提出する書面の起案を行い、書式や誤字脱字の確認後、プロジェクトアドレスへ共有。

  3. 11:00
    銀行外出

    破産会社の口座開設のため銀行へ外出。

  4. 12:00
    お昼休み

    自席でランチ。

  5. 13:00
    コピー、ファイル作成

    受領した案件記録をコピー、ファイル作成。

  6. 14:00
    会議

    プロジェクトメンバー全員でオンライン会議。進捗を確認し、業務の役割分担を決める。

  7. 15:00
    電話対応、書類作成

    問合せ電話に対応。会議で決まった担当業務の書類を作成。

  8. 16:30
    書類発送

    電子内容証明郵便を発送し、担当弁護士へメールにて報告。

  9. 17:00
    書類のPDF化

    案件書類をPDF化のうえファイル名をつけて保存。プロジェクトアドレスへ共有。

  10. 19:00
    終業

    弁護士に明日の仕事について確認のうえ帰宅。

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